捨てる。活かす。  ~シンプルに軽やかに~

もう片付けしたくないので、とことん手放していきます。

《ただの日記》 「あなた、変わったね。」

「あなた、変わったね。」

 

学生の頃から付き合いのある友人に、そう言われた。

半分嬉しくもあったが、それは同時に彼女とは分かれ道に立ったのだと理解した言葉でもあった。

 

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彼女とは半年に一度くらいのペースでランチやお茶をする仲だ。

近況報告もかねて、イベントや地域の情報交換だったり愚痴を言い合ったり。それなりに楽しい時間だった。

 

ただ、二年前頃から彼女に少しずつ違和感を覚え始めた。

口を開けば毎回同じ愚痴、そして自分と考え方が違う相手への不満が目立つようになった。

 

私はそれにうんうんと相づちをうつ。それが唯一の正解だった。

彼女は、同調には両手を広げんばかりに受け入れるが、提案や反論は静かに受け入れるように見えて、実際は心の窓をピシャッと閉めてしまうからだ。

 

 

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彼女のオススメのとあるお店。旬のフルーツを使ったアイスクリームが評判でおいしいらしい。私は夏らしい柑橘類のモノを選んで受取り、彼女と共にテーブルに座った。

すかさず彼女は鞄からスマホを取り出し、SMSに載せるためだろうか、写真を黙々と撮り始める。夏の初めの季節だ。あっという間に「アイスクリーム」の先っぽが溶け始め、「イスクリーム」になってしまった。

 

撮影が終わり、さぁ一緒に食べようと思ったら、今度はそのままネットにUPするためか、スマホを見つめ始めたのだった。

それが終わるころには、店員さんが心を込めて素敵に盛り付けてくれたはずの「イスクリーム」は、とうとう見るも無残な容貌になりかわった「スクリーム」になっていた。

店員さんのアイも、楽しく会話したい気持ちも無くなってしまった。

 

しかし、彼女の話が終わり、今度は私が話す番になる。

 

彼女も貴重なお休みの中、時間を作ってくれたのだ。気持ちを整え、私は話を始めた。仕事のこと、これから先の生き方のこと。話すのが苦手な私だけど、今回初めて深く掘り下げて、ひとこと、ふたこと言葉にしていった。

 

すると、みるみる彼女の顔が歪み、イライラしだしたのが伝わってきた。組まれた腕に、人差し指だけが小刻みに打ち付けていた。

 

ああ、わかった。

彼女は自分と同じ人間がいてほしいのだ。

おそらく、先のことを考えて進もうとする私が面白くないのだ。

 

彼女は、「変わる気」はないのだろう。直接的ではないが、イライラしだす直線の会話で、「自分は変わらない」というニュアンスを言い切った。

私が今までどう言っても、愚痴も、悩みも、良き方向へ進む糸口を探す気はなかったから。

 

意見はいらない。解決もいらない。

ただ、同感してほしい。

 

プライベートな内容なので詳細は書かないが、「今の私でいる方が楽」なのだと思う。ただ同時に、それは「幸せになる勇気を持てない」でいるようにも見えてしまう。

 

 

「あなた、変わったね。」

 

煮え切らない雰囲気で別れた彼女の後ろ姿は、いつにも増して寂しさがにじみ出ていた。

スマホに夢中になってアイスが溶けるときに私が感じたあの孤独。きっと彼女はずっと抱えているのだろう。

もう長い間、本当に心が前を向けないでいるのだと感じた。

 

ここで彼女とは道を分かれることができてよかったのかもしれない。

売り言葉に買い言葉になって、大嫌いになって、関係が完全に壊れてしまう前だったかもしれないから。

 

特に環境も考え方も違ってくる30代女同士だ。友人だからこそ、良かれと思ってなんでも言ってしまうことがいいとは限らないのだ。

壊れてしまってからでは遅い。だから、そうなる前にお互い離れていった。

 

もしご縁があるなら、この先ひょんなことから再開して、また楽しくお茶でもできるでしょう。

なので、しばしのお別れ。

 

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過去の縁に執着せずに手放すこと。いろいろと片づけ続けてきている途中で気が付いたことのひとつです。

執着せず、手放して流れに身をゆだねることも必要なのかもしれません。

 

《 2017.07.07. ただの日記 完 》