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捨てる。活かす。  ~シンプルに軽やかに~

もう片付けしたくないので、とことん手放していきます。

《ただの日記》 羽休めの樹

dialy / 日記

私は「母親」である。「妻」でもあり、「子供」でもあり「孫」でもある。

私は「事務員」であり、「先輩」でもあり「後輩」でもあり、「友人」になるときもある。

 

いろいろな私がいるけれど、なにも肩書を持たないでいられる場所を、私は勝手に「羽休めの樹」と呼んでいる。

 

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羽休めの樹は実に心地いい。そして、自分では意識していなかった自分の中の気づきを見つけることができる。羽休めの樹はいくらネット上を検索しても見つからない。こればかりは運次第である。

 

思春期のころの羽休めの樹は、借家だった一軒家の二階、自分の部屋の窓を跨いで寝そべることのできた「瓦屋根」だった。

かなりのボロ家であった。

少し古びた町の片隅のエリアとは思えない、窓から見えるは壮大な谷と山と空。これが冬夜になれば、瓦屋根の上で満開の星空を毛布にくるまって見上げていた。

東から太陽や月がのぼり、西へ沈む様子が、季節で場所がずれていくのが体感できた。おかげで小学生の理科授業は習わずとも満点だった。

 

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特に夜空は、今でも勇気づけてくれる。無数に煌めく星々を見ていると、その先にはさらに無数の銀河があって、壮大な宇宙が広がっていて、あぁなんて自分はちっぽけな存在なんだと。悩み事がノミのうんこよりも小さなものに感じ、そのままトイレに流してたいてい吹っ切れる。

 

 

今の羽休めの樹は、いつもの珈琲販売店

年末のおやつの時間過ぎに行ったらやっぱり他のお客さんはおらず、窓から差し込む柔らかなオレンジとも赤ともいえない光に包まれながら、おっちゃんと一緒に残り物のヴォレガとアロマショコラのブレンドを飲んだ。ミルに入れっぱなしだった豆に、違う種類のものを入れてしまった事故、という残念な理由で出来たブレンドが、偶然にも今年一番の傑作珈琲に出来上がり、本当にラッキーだった。

 

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昔、マスターのおっちゃんにこんなことを聞いたことがある。

歳をとるにつれて体も老い、知っている人もいなくなっていくことに感じる不安はどうするのか、と。

おっちゃんは、好きなことをして周りの人を愛せばいいだけだよと、語ってくれた。

 

お正月、夫の実家に帰省した時に一枚、とても愛おしい瞬間のシャッターを切ることができた。しかもそれは最高の笑顔を切り取ることができた。

義父と娘の、他愛ない瞬間。

そこにはただ愛が溢れている。

 

《 2017.01.09. ただの日記 完 》